劇団“空素”

新・ショットガン
Remade stage of "THE SHOTGUN"
押さえておきたい登場人物　Vol.7

私がお芝居を作る上で必ず口にする言葉、それは「王道」である。
何をもって王道と言うのかは人それぞれである筈だ。新しい試み、斬新なアイデア、奇抜な云々を
否定する訳ではない。アンチテーゼとしての王道だって必ずある。ただしそれは王道を知っての上でなければ意味を成さない。
この、元骨董品屋の古珍堂。この男が正に王道を具現化したキャラクターなのである。言い換えれば、どんなドラマにも欠かす事の出来無い不可思議な老人である。いつもは居るのか居ないのか分からない。でもいつもそこに居る。自分の役割だけを果たすと、またその存在を自ら消し去る。70年以上前から今で言うオタクの彼は、脇役（バイプレイヤー）の王道と言って良いだろう。
彼は骨董品屋の主人。本物と偽物を瞬時に見分ける目を持っている。しかもその眼力は周知の認めるところである。彼はAYASEの夢が濁りの無い「本物」だということを誰よりも先に見抜いていたのだ。古珍堂はセブンスターズの中でも最年長、優に90歳は超えている。今にも天寿を全うしそうなキャラクター。皆が彼の発言耳を傾けると同時に、遺言と受け取っているフチもある。勿論本人はそんなつもりは全くない。確かに現場での古珍堂は生き生きと働いているのだ。癖の強いセブンスターズの中にあって、AYASEが自然と心を開いているのも、この古珍堂である。
話を戻すが、本物を見極めるこの古珍堂が櫂と軍曹の下に辿り着いたことは、誰もが納得のところだろうが、ここで彼は最後に何を残したかったのだろうか・・・セブンスターズ最年長の古珍堂の眼には、今のこの世の中はどう映っていたのだろうか？彼もまた夢を持っているのだ。
彼がAYASEに、櫂に、そして観客にどんな夢を伝えてくれるのか。
それは、10月20日、11月23日・24日、是非目撃して頂きたい。



ばい　モンキリ王子